民間企業で宇宙開発を行った植松電機、専務取締役の植松努さん。
当初は植松努さんが「ロケットを作る」といったとき 周りからは、
「そんなことできるわけない!」と、
社長からは「金にならん、もったいない」と
社員からは「やったことがないから出来ない」と
「できない、できない」「無理だ」「金がもったいない」 否定的な言葉の雨嵐。
普通ならばここで「やっぱりやめとこおうかな・・・」と思ってしまうところですが、
そんな状況の中でも、植松努さんは宇宙開発をスタートさせました。
そんな方のお話しから。
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「自信をつければ、君の夢は叶う」 僕がそう言ったら、君はこう言い返してくるかもしれません。
「そんなこと言われても」と。
たとえば、「お金がないから夢が叶わない」と言うかもしれない。
でも、ちょっと聞いてください。
自信はつけられるし、夢は必ず叶う。
これは嘘でもハッタリでもないのです。
こういう本にありがちな、ポジティブ思考の押し売りでもないのです。
自信をつければ、君の夢は叶う。
なぜなら、君は最高にラッキーな時代に生まれています。
君は夢がとても叶いやすい「今」を生きているのです。
なぜならば、今は夢を叶えるために、あまりお金がかからない時代です。
たとえば、「宇宙の仕事はとんでもなくお金がかかる」と思っている人が多いけれど、僕らの宇宙開発は、たった20人の工場で稼いだお金だけでできています。
たとえば、僕らのロケットの材料となる特殊なプラスチックは、普通にホームセンターで買えます。
昔なら特殊な人しか買えない高価なものでした。
でも今は、国道沿いを車でちょっと行けばオッケー。最高にラッキーです。
そして、実は、最先端のことをするときには、学歴はあまり関係ありません。
たとえば、僕らの工場には、大学で宇宙のことを勉強した人はいません。
なぜならば、必要がないから。僕らのやっていることは、教科書に書かれていません。
そもそも誰もやったことがないからです。
未知への挑戦に必要なのは学歴じゃなく、興味と好奇心。
それさえあればできるのです。
だから僕の会社には、高校しか出ていない人も、小学校から学校に行けていない人もいて、普通に宇宙開発をしています。
また、人口衛星を作るときには、宇宙でちょっと傾いてもわかるような特殊なセンサーが必要ですが、これはゲーム機で全然オッケーです。
いいものが安く手に入ってラッキーですね。
しかもゲーム機に使われている角度センサーの性能は、今の日本のロケットに搭載されているセンサーより良かったりします。
なぜならば、日本のロケットは30年も前に作られたものだから。
いくら天才が集まって国の名のもとで開発しても、古いものは新しいものに負けます。
今のスマホと30年前の携帯電話を比べたら、鉛筆とコンピュータくらい差があります。
僕が若い頃は弁当箱くらい大きくて性能の悪い携帯電話でさえ、すごいものだったのです。
新しくて小さくて高性能のものが手軽に使える今を生きている君は、最高にラッキーです。
だったら、日本のロケットも新しいものにすればいい気がしますが、そうはしません。
なぜでしょう?理由は簡単で、「失敗したくないから」です。
新しい部品を使おうとすると、「失敗したらどうするの、責任取れるの?」と言われます。
宇宙開発は失敗が許されないからこそ、古い技術が使われているのです。
「失敗しないためには、挑戦しない」のが安心、ということで、何も変わらないのです。
失敗すれば、新しいことがわかるのに。失敗から工夫すれば、もっといいことがわかるのに。失敗を繰り返してやがて成功すれば、自信が持てるのに。
幸いなことに、君たちはこれから、新しい時代を生きます。
そこに前例はありません。
失敗例も成功例もありません。
誰も経験していないから、大人の常識は全く役に立ちません。
たとえ口出ししてきても、ほとんどは間違っているから、無視してかまいません。
誰もやったことがないことをやる時代だから、誰でもチャレンジできる。
チャレンジすればやがて大きな成功も手に入ります。
そして、チャレンジするために必要なのは、お金でも学歴でもない。
自分を信じて自信を持つことです。
新しい時代を生きる君は、すごくラッキー。最高にラッキーです。
「どうせ無理」と思っている君へ 本当の自信の増やしかた 植松努(PHP)より
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受験に成功する場合もあるし、失敗する場合もあります。
部活で県大会に出られる、出られないとか、予選で敗退するとか、そういうことも多々あります。
好きな人から嫌われて失恋することもあります。
希望していた会社に勤めることができなくて、挫折を味わうことだってあります。
人生にはいろいろなことがたくさん待ち受けています。
そういうときになってもいちいちめげる必要はありません。
たくさんの道が残されています。
自分が不運だ、不幸だと嘆くのではなく、そういうシナリオであり、そういう出来事もあるのだから、それに一喜一憂せず、強く、たくましく、打たれ強く、挫折にめげないで生きていくことも人生です。
挫折を味わっても絶対にめげない子どもを作ることが、本当は重要なのではないでしょうか。