「ノミ」ってみなさんご存じですよね? 私は実際には見たことがありませんが 。
このゴマ粒ほどのノミは、あんなに小さいのに1mほどもジャンプして飛べるそうなんです。
で、このノミくんを30cmほどの密閉した箱の中に入れたらどうなるか・・・。
そうです。
箱から抜け出そうとジャンプを繰り返すのですが、
ジャンプするたびに蓋にぶつかるわけですね。
そして2分ほどするとこのノミくん、
蓋にぶつからない程度の高さまでしか飛ばなくなるそうです。
あきらめが早いノミくんですね。
次に、このノミくんをひっくり返したコップの中に入れたらどうなるか?
今度は10cmほどのコップの高さまでしか飛ばなくなってしまいます。
さらに今度は、このノミくんに裏返したお皿をかぶせると・・・?
そうです!
ご想像どおり、全く飛ばなくなってしまいます。
もう自分には飛ぶ力がないのだと勝手に判断してしまうんですね。
ではこれを、われわれ人間、特に子どもに置き換えてみるとどうでしょうか?
私たちは生きていく過程でいろいろな失敗をします。
挫折も経験します。
がんばってはみたもののうまくいかないこともいっぱいです。
そしていつの間にか、
とても狭い枠の中に自分を押し込めて、
自分で勝手に「限界」を決めてしまいます。
「どうせムリ」「もう限界」「やってもムダ」・・・
いろんな言い訳を言って、自分の殻を割ろうとはしなくなってしまうんですね・・・
われわれ大人だってそうですし、子どもならなおさらです。
がんばってもなかなか結果がついてこないこともあります。
そして、中には「自分はこの程度・・・」と決めつけてしまって、
高く飛ぼうともしなくなってしまう場合も出てきます。
「飛べるのに飛べないノミくん状態」になってしまうのです。
まわりの大人も子どもたちに対しては、
少しでも前進できたことを認めてあげて、
ほめてあげることが今すごく大切だと思います。
たとえ失敗しても根気強く向き合い、
少しでも進歩があれば大いに認め、
さらにもっと高く飛べるようにと、応援する。
子どもたちの可能性の殻を破っていくお手伝いができれば、
こんなにうれしいことはありません。
人間だれしも、壁にぶつかることがあります。
時にそれはとても乗り越えられない壁だと感じ、
その壁の前で挫折してしまいそうになることがあります。
しかし、その壁は…。
大リーグの大打者イチロー選手がこんなこと言っています。
「壁というのは、できる人にしかやってこない。超えられる可能性のある人にしか やってこない。 だから、 壁があるときは、 チャンスと思っている。」
また魂のピアニスト、フジコ・へミングはこんなことを言っています。
「あきらめないで夢のために努力すれば、必ずいつか道が開けるものよ。自分を不幸だと思ったら、そのときから不幸になるんだから。」
自分が壁だと感じるもの、それは実は自分に与えられた課題なんです。
その課題と真摯に向き合い、乗り越える努力をすること。
それは自分を成長させるチャンスなんです。
それを怠ると、後々の人生で、その課題は別な形で現れます。