2017/10/4
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子どもを褒めない親は「見る目」がなさすぎる1 |
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あなたは子どもを「褒めて」育てていますか? 「よく言われる話だな」と思った方もいるかもしれませんが、 ではどれだけ効果があるのか、 具体的にどうやって褒めるのか、ぱっと答えられるでしょうか。 言うのは簡単、 だけど意外とできないのが「褒めて育てる」なのです。 この記事は長年小学校の教師として多くの子どもたちと向き合ってきた 教育評論家の親野千可等さんの経験から、 その効果と具体的な「褒め方」について紹介したものです。では、どうぞ! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 子どもを褒めるコツ 田中さん(仮名)は、自宅の習字教室で、自分の娘も含めて、多くの子どもたちに習字を教えています。 でも、以前は習いに来る子どもの数も少なく、経済的に厳しい状態が続いていました。 あるとき、私の講演を聞いて、子どもを褒めるコツについて開眼したそうです。 そのコツとは「まず褒める。部分を褒める」の2つです。 それまでは、子どもたちの作品を見て、すぐに「もっとここはしっかり止めなきゃダメでしょ」などと言っていました。 頭ではもっと褒めたほうがいいとわかってはいたのですが、どう褒めていいかわからなくて、ついマイナス面を指摘してしまうことが多かったのです。 開眼してからは、「左払いがとてもきれいに書けたね。すごくいい感じ」などと、とにかくよくできた部分をまず先に褒めるようにしました。 どうしても指摘したいことがあるときは、褒められる部分をいくつか褒めた後で1つくらい指摘するそうです。 そうするうち、子どもたちとの関係が非常によくなり、やめる子は減り、新たに習いに来る子が増えました。 また、自分の娘との関係もよくなったそうです。 もちろん、子どもたちは楽しそうに習字を習い、上達もしています。 田中さんは、「この褒め方は単純にして効果抜群。これで人生が変わった」とまで言っています。 褒められると子どもは自信がつき、もっと頑張りたいと思うようになります。 自分に自信が持てるようになるので、ほかのこともできそうな気がしてきます。 認められたうれしさで心がぽかぽか温かくなってくるので、友達や兄弟にも優しくなれます。 認めてくれた相手に対して信頼が高まり、心がオープンになって素直な気持ちになることができます。 ですから、私は懇談会や学級通信などで褒めることの大切さを繰り返し伝えてきました。 でも、それを聞いて多くの親たちがよく言うのは、「褒めることの大切さはわかっているけど、いざとなると褒められない。褒めるところが見つからない」ということです。 そこで、私が提案したのが「部分を褒める」です。 「部分」に注目して、まず褒める 何事でもそうですが、全体を漠然と見ていたのでは褒められません。 つねに「部分」に注目すれば褒められる部分が必ず見つかります。 たとえば、子どもの宿題の書き取り帳に乱雑な字が並んでいたとします。 そのとき、すぐ「もっとしっかり書かなきゃダメでしょ。書き直しなさい」と言ってしまうと、「イヤだもん」「書き直しなさい」「イヤ」「ご飯抜きだよ」などのバトルに発展してしまいます。 ところが、部分に注目して、まず褒めるようにすると、これよりはるかに望ましい展開が可能になります。 というのも、書き取り帳は1ページで80字くらいありますので、中には偶然上手に書けている字が必ずあるからです。 「この『朝』という字、きれいに書けたね。『飛ぶ』という字のバランスがいいね」というように褒めます。 あるいは、もっと部分に注目して、「この『辻』という字の『しんにょう』がすごく形がいいね。この『校』という字の左払いがすっきりきれいだわ」と褒めることもできます。 このように毎日部分に注目して10個くらい褒めていれば、日ごとにノートの字はしっかりしたものになります。 どうしても直させたい字があるときは、たくさん褒めてから、最後に「じゃあ、これとこれだけ直そうか」と言えば、喜んで直してくれます。 つまり、順番も大事なわけで、まず最初に褒めることが大切なのです。 算数の宿題を見たときも同じです。 「これバツ。これもバツ。もっとちゃんと考えてやらなきゃダメでしょ。ほら、間違ったところをやり直しなさい」などといきなり言ってしまいがちですが、これでは子どもが反発したくなるのも当然です。 まずは、しっかりできた部分を見つけて、「これマル。これもマル。これもマル」と褒めます。 マルではないところも、褒められる部分を見つけて、「ああ、これ惜しい。式は合ってるよ。計算ミスが惜しかったね」「図を描いて考えたね。いいことだね」と褒めます。 そして、最後に「じゃあ、これとこれ、もう一度やってみようか」と言えば喜んでやってくれます。 子どもの作文を読んで「月並みでつまらない作文だ」と思っても、「もっとよく考えて、工夫して書きなさい」などと言ってはいけません。 まずは、褒められる部分を見つけて、「カギかっこを使って会話が書けたね」「ここの書き方はいいね。驚いたときの気持ちがよくわかるよ」などと褒めます。 それで終わってもいいですが、もう少し指導したいと思ったら「このとき○○君はどんな気持ちだったかな」などと聞いて、子どもが答えたらそれも書かせるようにします。 勉強以外でも同じです。 子どもの描いた絵を見て「下手だなあ」と思っても、そんなことはおくびにも出してはいけません。 全体を漠然と見るのではなく、部分に注目すれば「夕焼け空の色がきれいだね」「たくさんの色が使えたね」「小鳥がかわいらしく描けたね」「このライオンは迫力があって今にも動き出しそう」などと褒めることができます。 子どものサッカーの試合の後も、結果はどうあれ、まずはよかった部分を見つけて褒めます。 「最後までよく頑張ったね」「すばらしい声が出てたね」「○○君へのスルーパスがドンピシャだった。しびれたよ」「前半終了直前のコーナーキックはプロ並みだったよ」などと褒めてあげましょう。
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