2016/10/12
|
|
子どもたちのために忘れてはいけない大切なこと |
|
ふと読み返した書籍からお伝えしたい話をご紹介します。 もっとも根本になることを身につけさせたら、 あとは子どもたちの自主性に最大限委ねることが大切だ。 親切に世話を焼きすぎることは、かえって不親切になる。 主体性をおろそかにされた子どもは、自分の人生を生きることができない。 なんでも人の言いなりになってしまう。 子どもを守ってやったつもりでも、 親はいつまでも子どもを守り続けることはできない。 子ども自身が自分を守る力を身につけさせることが、 子どもを守ることになるのだ。 何から何まで親が口出しして決めていると、 何一つ自分で決断できない人間になる。 助けてやる部分ももちろん必要だが、 自分で判断させ、失敗する経験を早いうちにさせておくことが、 後の大きな失敗を防ぐことになる。 いまの子どもたちの脆弱性(ぜいじゃくせい)は、 守られすぎ、世話を焼かれすぎて、 自分で問題を解決する能力を身につけていないことにある。 自分がやろうと思う以前に、 親の意思や期待が先行し、 本人はただ操り人形のように、 親の意のまま動かされているという状況も多い。 途中まではそれでいけるが、必ずツケが回ってくる。 反抗し、親の言いなりになんかなるもんかと宣言して、 他のことをやりだす子は、まだ見所がある。 ところが、もっと主体性が損なわれてしまうと、 ただ無気力で、何もしたくないという状態に陥ったり、 悪友にそそのかされるままに、陰で悪いことを始める。 一度損なわれた主体性を回復するのは、 とても難しいし、長い時間がかかる。 一年や二年、高校や大学に行くのが遅れようが、 学校なんか行かずに他のことをやりだそうが、 本人がそう決めて自分の意思で行うのなら、 それが最高なのだ。 本人の主体性を無視した人生を強要したりすれば、 十年、二十年を無駄にして、まだ足りないことになる。 「悲しみの子どもたち」岡田 尊司(精神科医、医学博士)(集英社新書)より |
|