2017/7/28
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【必読】記憶の定着を高めるペンキ塗り学習法 |
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今回はテスト勉強に役に立つ「記憶の定着を高めるペンキ塗り学習法」についてお伝えしたいと思います。 脳の仕組みを活用し、4回連続記憶力日本一、日本人初の記憶力のグランドマスターになった池田義博さんの著書「世界記憶力グランドマスターが教える 脳にまかせる勉強法」(ダイヤモンド社)から。 では、どうぞ! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ どのような復習が勉強を進めていくにあたって効率的なのか、皆さん知りたいことだと思います。 範囲が限定されている勉強をする場合、「鉄則」といってもいいぐらいの進め方があります。 それは、理解度は二の次にして、とにかくスピードを優先して、できるだけ早く全範囲の勉強を終わらせ、それを何回も繰り返す方法です。 もし今のあなたの勉強の進め方が、「うさぎとかめ」でいうところのかめタイプ、要するに着実に物事を進めなければ気が済まないタイプだとしたら、ただちにスピード優先のうさぎタイプへの転向をおすすめします。 その進め方だと、勉強が雑になるような気がして、本当に覚えられるのか不安になるかもしれませんが、最終的な記憶の定着度で判断すると、これが一番効率的な進め方だといえるのです。 勉強における記憶の定着度とは、ペンキ塗りのようなものと考えてください。 壁にペンキを塗るときには1回で塗り終わることはありません。 なぜなら、一度ではところどころムラができてしまっているからです。 そのため完成までには、何度もペンキを塗り重ねて厚みを増す必要があるのです。 勉強の記憶も、これと同じことがいえるのです。 わかりやすい例として、今ここに新しく英単語を覚えようとしている学生が二人いるとしましょう。 一人をAさん、もう一人をBさんとします。 二人が覚えるのは同じ100個の英単語とします。 Aさんは、その100個の英単語を4時間かけてその日一日だけで覚えたとします。 それに対してBさんは、一日1時間の学習時間で4日かけて覚えたとします。 覚えるのに使った時間は、どちらもトータルでは4時間です。 仮に覚えた直後に記憶のテストをしたとすると、その時点では二人の記憶量には差はありません。 ところが、しばらく時間が経過した後でテストをしてみると、4日に分けて学習したBさんのほうが思い出せる量が多いという結果になるのです。 これは記憶に関する脳の性質であり、薄い記憶を何回にも分けて塗り重ねたほうが、じっくり時間をかけて一度で覚えるよりも忘れにくい強い記憶となった、つまり記憶の定着度が高かったことを示しています。 ただし、ある条件を考慮しないまま進めてはいけません。 その考慮すべき条件とは、「勉強範囲の広さ」、すなわち「勉強の全体量」です。 学校の定期試験ぐらいならば、問題はないのですが、入学試験、資格試験などを考えた場合、勉強しなければならない範囲はかなり広いものとなり、勉強内容のボリュームも大きくなります。 このような広い範囲を、先ほどの方法で進めるとどうなるか考えてみましょう。 スピードを重視して、記憶の定着は後回しで全範囲を進めたとします。 繰り返すことにより記憶を厚くしていくのだから、1回での記憶は薄くていいはずなのですが、範囲がとても広い場合、この一度の記憶があまりにも薄すぎるのです。 記憶というのは急激に減っていくものです。 いくら薄い記憶を塗り重ねて厚くしたほうが強い記憶になるとはいえ、1回での記憶があまりに薄すぎる場合、厚みを増すにはものすごくたくさんの回数を繰り返さなければならなくなります。 このように範囲が広い勉強の場合には、このやり方で進めるとかえって非効率になってしまう可能性があるのです。 では、範囲が広い勉強をする場合にも、このスピード重視の考え方を活かす勉強法はないものでしょうか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 入試などの範囲が広い場合の勉強法について、池田さんはこのようにおっしゃっています。これはまさに受験生必読です! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 復習を効率的に行うには…… 私が参加している記憶競技には、1時間もの制限時間をかけて覚える種目があります。 記憶時間が1時間ともなると、覚える量は相当なものになります。 日頃から練習を積んでいる記憶競技の選手でさえ、これを一度で記憶するのはまず不可能で、どの競技者も制限時間内に必ず復習をして覚えているのです。 そこでポイントとなるのが、どのように復習をすればより効率的かです。 私が最初に試した復習は、前節で説明したような全範囲を繰り返して覚えるもので、薄い記憶を塗り重ねて厚くする方法です。 この方法で練習を始めると、すぐに問題点が浮かび上がってきました。 先ほどのペンキ塗りの例でいうと、塗り重ねて壁を完成させようとやってみたら、壁の面積が思ったより広かったのです。 壁が広いと、当然ながら1回の塗りでは色は薄く、ところどころにムラができてしまいます。 つまり記憶が非常に薄いうえに、記憶の定着にもばらつきがあるということです。 そこでムラをなくすために、1回で塗る範囲を狭くしました。 範囲が狭いので簡単にすばやく塗り重ねることができます。 また、小さい達成感をいくつも味わいながら進められるので、モチベーションもキープできます。 全範囲をいくつかの狭い範囲に区切り、その狭いエリアごとに復習をしながら、次のエリアに進みますが、狭い範囲ごとの復習にも工夫を重ねました。 復習というのは、ある程度忘れかけた頃に行うことにより、初めて記憶を強くする作用があるのです。 あまり忘却が進んでいない段階で復習しても脳が働く必要がないため、記憶が強化されません。 そこでその点を改良して、一つの狭い範囲を繰り返すのではなく、次のエリアに進んで少し記憶が薄れてきたときに、一つ前に戻って復習するという形をとることにしました。 昔の歌に「三歩進んで二歩さがる」という歌詞がありましたが、ここでは「二歩進んで一歩さがる」といったところでしょうか。 この方法だと、各エリアの学習を3回転して進んでいくことになります。 記憶が落ち切ってしまうのを防ぎながら、学習を進めることができるのです。 スピードを上げて学習を進めても、すぐに2回も復習できるという安心感があるため、立ち止まらずにスピードをキープして進めることができるという、うれしい副作用もありました。 こうして生まれた速習法は、一般的な勉強全般にも通用する方法です。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ いかがでしたか?個別進学セミナーでの学習法はこれに似ています。 学習範囲をペンキを塗り重ねるかの如く、徐々に濃くなるよう、指導しています。 |
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