親子の対話に悩む方に効く話です。
昔あるところに若い男が住んでいました。
その男は話し上手になる秘訣を教わろうと、
山に住む賢者のもとを訪れました。
「先生、教えてください。話し上手になるにはどうしたらよいですか!?」
賢者は答えました。
「聞きなさい。」
「先生、聞いています。話し上手になる秘訣を教えてください!」
「もうお前に告げた。さあ、行って実践するがよい」
さて、賢者の出した答え。それは何だったのでしょう?
答えは・・・
賢者は答えました。
「聞きなさい」
答えは
「きく」ことです。
今、これをひらがなで「きく」と書きました。
これには訳があります。
人の話を「きく」には3つの漢字があります。
まずひとつめは、「聞く」
これには「心」の字がありませんね。
例えば、子どもが学校から帰宅して、
「今日ね、先生に○○をして、すごくほめられたの」とか
「学校で飼っていたうさぎが死んじゃったの」と言ったとします。
でも家事に余念がなく、子どもの方を振り向かずに、
「ああ、そう」と返すだけ。
これでは子どもの大切な感情の吐露を受け止めてあげたことにはなりません。
家事に忙しいのは分かりますが、
子どもの話しは、きちんと正面を向き合って聞かなければなりません。
同じ「ああ、そう」でも、子どもの方を振り返らず、
あるいは背を向けたまま言う「ああ、そう」と、
ちゃんと正面を向いての「ああ、そう」とでは意味が違います。
「聞いてくれている」、「受け止めてもらっている」というメッセージを言葉だけでなく、
身体で表現しなければいけません。
この非言語的要素は、会話ではとても大切なことです。